新谷良子さんの「月とオルゴール」の歌詞を読んでいたら中身が気になってきたので考察しました。考察というか妄想になりました。
なんでこんなことをしているのか本当によくわからないけど始めたら止まらなくなったので最後までやりました。
それではお暇な方はどうぞ。
頭から順番に歌詞を見ていきます。太字が考察で斜め文字になっている部分が歌詞です。
歌詞は「僕」視点からスタート
「僕」が観ているのは現実世界ではない
夢みたいな夢を見てる
そんな日々は回ってく
→「回ってく」からオルゴールが連想される。現実ではない世界にいる、または「僕」は現実を見ようとしていない可能性も
「僕」にひどいことが起きた
どんなことがあっても君がいてくれるなら大丈夫だよ
→「どんなことがあっても」といえるくらいの状況に既になっている
「僕」は死ぬ直前である可能性
今までのこと記憶とともに通り過ぎていく
→走馬灯
「君」は実在しない、あるいは会ったことがない
その中に君は確かに存在しているのに思い出そうとする感覚
抽象的になる映像
追いかけようとする度君が霞んでく
→追いかけようとする度霞んでいく、夜明けとともに見えなくなる「月」である可能性
「僕」はオルゴールの近く(またはオルゴールの中)にいる
オルゴールの音色が聞こえた気がしたんだ
「君」は「月」である、または「月」にいる
君の姿が見えないよ
今夜は月がまぶしすぎて
→まぶしすぎて見えないのは「月」自身もそうなので「月」である可能性もあるし、「月」にいる誰かかもしれない
君は雲をつかむような存在で
いつも僕の腕すり抜け他の何処かを見つめてる
→雲をつかむような存在、手の届かない存在つまり「月」
一人歩きしてピエロのふりをする「現実」は「僕」が現実逃避している事を示している
現実が僕のどこかで一人歩きしていって
ピエロのふりをしていたことに気づいたんだ
→「現実」が見えていない、または見ようとしていないことを認めた「僕」
「君」は実在しない可能性がある
もしかして本当の君はここにはいないの?
→「僕」は「ここ」に「君」がいると思っていたが、そうではなかった
ここから「私」視点
「私」に悲しい出来事が起きた
悲しまないでね
→(「私」の事で)悲しむのはやめてくれと「僕」に言っているように見える
「私」は「月」である
私はあなたのための場所を作っているの
→「私」が月の光で照らしている、「あなた」とは「僕」のことを指す
「僕」にとって辛いことが起きた
切ない想い忘れさせるから
→「僕」を切ない想いにさせるような何かが起きた
ここから「僕」視点
「僕」が綺麗だと思った空は「君」が作り出した
綺麗だと思った空の一部始終が君の創りだしたものだったとしても
ここから「私」視点
「私」は月ではなく月を見せている何者かである
今日も素敵な月を君に贈れてますか?
私はいつでもここで見てるから
→「ここ」とは月のことなので、月にいる誰かである可能性
「僕」はオルゴールの中にいる
オルゴールの中の君へ捧ぐ
→オルゴールの中の君と明言されているため確定
ここから最後まで「僕」視点
僕はここで生きてる
→「ここ」とはオルゴールのこと
オルゴールは「君」に関係するものである
箱庭を彩った君の音を感じて
→「箱庭を彩った君の音」という表現から、オルゴールのメロディーと「君」の記憶はリンクしている
「僕」は人間である
「この世界を今愛してるよ」聴こえますか
→言葉を話せているため
まとめ
・「僕」と「私(=君)」の視点が何度か切り替わる構成
・「僕」はオルゴールの中にいる
・「僕」にとって悲しい出来事(「私」に関係する出来事)があり、「僕」は現実逃避している
・「私」は月から「僕」のことを見守っている
以上の情報から妄想した結果・・・
「僕」と「私」は親しい間柄だったが、「私」は死んでしまったのではないか。
そして「私」の死を受け止めきれず「私」が好きだったオルゴールにすがる「僕」の様子と死後月から見守る「私」のことを描いた歌詞なのではないか。
さらに詳細な妄想内容
「私」は月(=空の上)にいて「僕」を見守っているという点で既にこの世を去っていると思われる。
「君の音」を感じられるオルゴールの曲は、「私」がよく聴いていた曲だった。
「僕」はオルゴールの中にいる「私」のことを探そうとしているが見つからない、思い出すことも出来ない、思い出したくない何かが起きている、つまり「私」は本当は死んでいる。
現実を現実として認識しようとしていなかった「僕」の様子から、「君の音」を感じられるオルゴールの中は「私」が死んだ現実の世界と隔離されていることがわかる。
しかし「僕」は「私」が「月」にいる、つまり死んでしまったことに歌詞の展開の中で気づいていっている(「もしかして本当の君はここにはいないの?」や、「ありがとう 分かったよ~」の所などがそれっぽい)。
「私」は死んでしまっているが、死後もオルゴール(の中の「君(=僕)」)を月の光で照らし続けていて、それを感じとった「僕」は、「私」が本当は「ここ」にはいないことがわかっていてもなお、「この世界を今愛してるよ」と「月」に向かって話しかけている。
そういう悲しくも美しいお話だったんですよ、「月とオルゴール」の歌詞は・・・・・。
以上です。