ゴミ捨て場

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人物クロッキーの基本

の要点をメモしていく記事。

 

 


クロッキーとは

 

クロッキーはデッサンの中の一つの分野。

・デッサンは、「観る」「描く」「比べる」「直す」が繰り返される行為だが、クロッキーは決まった時間以内に素早く描くので5分以下の製作などになると「比べる」「直す」が省かれる。

・生き生きした人物のポーズを短い時間で一息につかむのがクロッキーの面白さである。

・描きたいものを瞬時に捉えられると、イラストや絵画表現の幅や可能性が大きく広がることになる。

クロッキーでもっとも重要なのは「描く」方法である。

・10分、5分クロッキーでは稜線を元に陰をつけたり、質感を表現したり出来る。

・観るほど見えてくるものもあるが、すぐに見えなくなるもの(大まかな流れやうねり)もある。眼と手の動きを連動させて、最初に見えていた形を発見するのがクロッキー

・5分あたりから「直描き」になってくる。引いた線に呼応するように次の線をイメージしていく。

・10分クロッキーの場合、最初の5分で大きな流れ(ムーブマン)をとらえ、後半5分で比較検討から修正の作業に切り替える。

 


描く前に意識したい3つのポイント

 

・描く前に意識したい3つのポイントは「目の高さ」「光の方向」「組み立て(構造)」である。

・まずモデルに対して自分の目の高さを確認しておく。この高さを中心に煽りと俯瞰の水平断面が意識できる。

・ものに光が当たると陰影が出来る。稜線と光の方向を捉えることで、立体感を表現しやすくなる。

・大きな骨格と重心をイメージしてモデルを観る。

・骨盤内に体の重心がある。

・組み立てを捉える時に注目するのは「目」「口元と耳」「肩の傾き」「肩の傾き」「バスト」「ウエスト」「ひざ」「くるぶし」など。

 


鉛筆の持ち方や使い方

 

・細部を描く時は鉛筆をちゃてて、表情をコントロールするように細く繊細な線を引く。

・大づかみな流れを追う時は、鉛筆を寝かせて線を引く。

・鉛筆を寝かせると、対象の表情や質感によって線に抑揚をつけることができる。

・鉛筆を寝かせて素早く大きな面積を塗る。

・筆圧を変えることで、線秒だけで位置や量感を表現できる。

 


描く時、紙から鉛筆を離さない

 

・人の体を描く時、対をなす形の関係性を追っていくと自然な形がつかめる。そのためには運筆が重要となる。

・「い」の字のような連続した線をイメージして運筆する。

・短時間で描くためには、なるべく紙から鉛筆を離さず、身体の立体的な形を「交互に」描く。

 


顔の描き方(斜め顔)

 

・鉛筆を寝かせて大きなアタリをつける。

・下を向いた面を塗って陰を表現し、輪郭を引き出す。

・鼻の穴や唇の形を線描で表現する。

・眼球の存在を意識し、調子をつけていく。見えている部分だけでなく見えていない部分も捉えるようにする。

・アタリにもとづき耳の形を描く。

・髪の毛を塗って表現する。あごの下面の反射光を表現できるように濃さに差をつける。

・頬の丸みをぼかして表現する。

・画面全体のバランスを確認する。

・最後に瞳を描き、顔に表情を与える。

 


顔の描き方(横顔)

 

・線の起伏で顔面側の立体感を表現していく。

・顔面側を描いたら、対になる後頭部を描く。指先でぼかして陰の調子を頬につける。

・頭部を包み込みように鉛筆の線を引き髪の毛の質感を表現する。

 


顔の描き方(横顔に近い斜め顔)

 

・寝かせた線で大きなあたりを付ける。

・あたり(球体)に沿って目、鼻、口を描く。

・鼻に影をつける。

・下唇とあごの重なりを描いて奥行きを描く。

・引き締まった口元の立体感を出すために、口元に影をつける。

・頭部側面に沿った髪の毛の流れを、鉛筆を寝かせた強い線で捉える。

・結んだ髪の流れを描くことで、頭部のひねりを表現。

・奥側の紙の暗さを利用し、口元からあごへの立体感を濃さの差により表す。

・首の輪郭を強く、次第に弱くすることで首元に流れる紙の束のボリューム感を表現する。

・後頭部とのバランスを取って前髪を描く。

 

 


顔の描き方(正面に近い斜め顔)

 

・あご、鼻、上唇など、下を向いた面をはやめに描く。

・下向きの面によって作者が見上げて描いていることが表現できる。

・目の位置にも鉛筆を寝かせて引いた線でアタリをつける。

・鼻や口元などをシャープな線で書き起こす。 

 


人体の捉え方は「軸」と「構造」

 

・まず骨格と体重のかけ方、ねじれ(ムーヴマン)をとらえる。

・背骨、頭部、肩、腰で出来た単純な形態に置き換えると傾きやねじれが把握しやすくなる。

・例えば左足側に体重がかかっているポーズでは左腰が上がっており、これに対しバランスをとるために右肩が上がっているというような構造を捉える。

 


「小さな箱」と「大きな外箱」

 

・人体の3つのかたまりを「小さな箱」に置き換える。頭、胸、腰を箱型で捉えると、向きや厚みがつかみやすくなる。

・「大きな外箱」は人体全体を包み込む長方形型の空間。それぞれの小さい箱の向きの基準となる。

・箱の面の変わり目を参考にして人体に「稜線」を引く。この線を意識することで人体をより立体的に把握できるようになる。

・左右対称性を持つ人体の体表の中心を通る線を正中線と呼ぶ。この流れに注意を払うと人体のひねりや量感がつかみやすくなる。

 


描くべき部位の5つのポイント

 

アゴ、首、耳の位置関係を抑える(顎の関節の後ろに耳の穴が位置し、背骨は耳の穴付近から伸びる)。

・顔と手の表情を抑える(顔の表情は「口元」に現れ、手は湾曲した関節の並びに着目し、親指とそれ以外の指を区別して捉える)。

・腰と軸足の関係を見る(軸足皮の腰が上がり、バランスを取るために逆側の肩が上がる)。

・筋肉の形状を意識する。伸びている印肉と力を入れている筋肉を見極められるように目を訓練する。ポーズをとることで身体に巻き付いた筋肉をよく見て表現すること。

・体表に現れる筋肉と骨格に注目する。目立つ大きな筋肉の形を大まかに覚えておくと観察に役立ち、的確な人体表現がしやすくなる。